2017-11

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ガット・イン・エーク・ソー・タール その壱

ジュジャール・シン(以下JS)


アート・トークの時間です。司会のジュジャール・シンです。
パンディト・シヴクマール・シャルマ氏は純粋な天才音楽家です。世界でも尊敬されている最高の音楽家の一人です。彼は未知の楽器をインド音楽の代表的な立場にまで昇華させました。シヴジー、貴方をお迎え出来て光栄です。


パンディト・シヴクマール・シャルマ (以下SVK)


この場に来れて嬉しく思います。


JS      まず最初に楽器についてお話を伺いましょう。何本の弦が張られているのですか?

SVK     かっては100本の弦がありました。インドでは本来シャタ・タントリ・ヴィーナと呼ばれていました。サンスクリット語でシャタとは100を意味します。その為100本の弦を持つシャタ・タントリ・ヴィーナと呼ばれました。

JS    100本の弦を持つ琴という意味ですね。

SVK    そうです。御存知の様にこれらの楽器はリグ・ヴェーダの中でも触れられています。とても魅惑的な楽器です。何世紀もの後にはサントゥールという名前を贈られていたのです。


JS    貴方の両親は音楽家ですね。貴方は13歳の頃タブラと歌を習っていた筈ですが、このサントゥールへと楽器を持ち替える大きな転換はどのように訪れたのですか?

SVK   私の父、パンディット・ウマダット・シャルマ氏は私が5歳の時からタブラと声楽を学ばせました。私が12、3歳の時だと思いますが、彼がこの楽器を私にくれたのです。

JS    何故彼はこの楽器をくれたのですか。学べと?

SVK    そうです。何故なら

JS    タブラからサントゥールへ持ち替えなさいと?

SVK    そうです。何故なら彼はこの楽器をインド古典音楽の楽器としてステージに持ち込みたいと最初にそう考えた音楽家なのです。何とかこの楽器を古典で演奏出来る楽器にできないものかと。

JS      彼はサントゥールを古典で演奏出来る楽器に昇華させる責任を貴方に託したのですね。

SVK     そうです。彼は私にそう教導しました。


JS    貴方がサントゥールを学んでから1955年にムンバイの聴衆の前で演奏を披露した際には「これはインド古典向きの楽器ではない」とかなり批判的な意見が出たそうですが、当時どのような問題があったのでしょうか?


SVK    サントゥールは多数の音それぞれが固定された楽器です。インドの楽器やインド古典音楽でどの楽器を演奏するにしても声楽で表現するものを楽器を通して模倣しているのです。それぞれ技術を駆使しながら。しかも100本も弦があるのです。全てのラーグをこの楽器だけで演奏するのは不可能でした。重点は調弦にありました。

JS    あなたは12年の歳月をかけてサントゥールの実験と改良を重ねて来ましたが、何処をどのように改良したのですか?

SVK   まず重要な事ですが、人々がこの楽器の何について批判的だった事かです。それはサントゥールは音が固定された楽器である事です。例えばこのような...

(Sa, Ga,Ma,Pa ... の音をまず楽器で出だしてみる)


それから

(同様のラインを古典の声楽で歌ってみる)


.... どうやってこれを表現するかと言うと


(まず単音で同様のメロディーラインを出す)


これはそうではありません。

(もう一度メロディーを歌いながら撥で撫でる様に音を出す)


JS   今やっと同様の旋律になったのですね。


SVK   例えばこんな旋律を演奏するとしたら、

(同様のデモンストレーションをもう一度披露する)


私はこのように異なる技術を使ってみます。私が今から言う事はとても重要です。私はかって家で他の楽器で実験していました。この(声楽の)表現を出す為に。私が最初に試したのはこういった事です。

(サントゥールの弦をベンドさせてみせる)

その時私は思いました。

JS    おっしゃる意味はギタリストのように弦をひっぱる事ですね。


SVK   そうです。もし私がサントゥールでサロードやヴィーナーやシタールの様な楽器の真似事をしたとしても現物は既にあるのです。人々は私の演奏を聴きに来るまでもありません。私は声楽や古典楽器の表現が出来るサントゥール独自の技術を開発しなければなりませんでした。それに12年もの歳月が費やされました。


JS     貴方はようやくサントゥールで声楽の表現が出来る技術を確立したのですね?  

SVK    そうです。サントゥール独自の技術を駆使してです。他の楽器の真似事では無くです。私は色々と異なる実験と発明に挑んできました。

(楽器と声楽を使ってさっきよりも高度な技術のデモンストレーション)

こうして表現は可能になりました。


Js    貴方はサントゥールで演奏出来る範囲も変えたのですね。

SVK   そうです。なぜなら普段私達の古典音楽においては声楽であろうが、器楽であろうが音の使う範囲は2オクターブ半か3オクターブです。7つの音で1オクターブが形成されます。例えば、(サントゥールで音を出しながら)これで1オクターブです。低音のオクターブです。次に中音域、高音域です。これで3オクターブとなります。カシミールのサントゥールは2オクターブともう3つの音のみです。

JS    そして実際にもう1オクターブ追加したのですね。

SVK    もう少しの所ですね。そういった沢山の事です。

JS     貴方はそういった実験を重ねたサントールを持って批判的な評価を受けた1955年のステージで矢面に立ったのですね。

SVK    私は沈思してそれを思い起こしてみると、本当に何もしませんでした。私は{媒体}となっていました。それは私を通して起こった事ですが、誰かが(上を指差しながら)行った事です。私は何もしていません。

JS      (笑) サントゥールの演奏を聴かせて下さい。何を演奏しますか?

SVK     ではラーグ・ジンジョティーのアーラープ、ジョールを演奏しましょう。


(しばしジンジョティーの実演)



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プロフィール

MitchieBlackmore

Author:MitchieBlackmore
20世紀末期からシタールを通じて
インド音楽を学んでいます。

98年からインドにてシタールをデバシーシ・サニャル氏、モニラル・ナグ氏に師事。2004年より自らも居を名古屋近郊に移し名古屋市在住のアミット・ロイ氏に師事し研鑽を積む。{銀の旋律}や毎年行われる門下生のコンサート{月音}等に参加。


甘党B型+α

どうぞよろしく。

アバル・デカホベ

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ライブ情報

日時11月26日(日)開場17:00/開演17:30 入場料 1,000円(中学生以下無料)会場 揚輝荘(南園) 聴松閣 多目的室〒464-0057名古屋市千種区法王町2-5-17 地下鉄 覚王山駅より徒歩10分 主催 北インド古典音楽研究会 ご予約・お問い合わせ  fukusuke911@nifty.com (会場に駐車場はありません)

演奏依頼、リクエスト、その他問い合わせは下記からどうぞ。

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