2017-11

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俺の罪

あれはいつの事だったろうか。


ある日電車の中吊り広告で{佐村河内守}なる名前を見かけたのは。


サムラカワチノカミ? 読めないよ。職業はきっと戦国武将に違いない。



見た目は何かメタルバンドのメンバーみたい。
聴覚障害を抱えた現代のヴェートーヴェン。そんな人がいたのか。西洋クラシックを聴く事は稀だ。障害を持った作曲家と言えば大江光が思いつくけど、この人の音楽は何だか悲劇の主人公を演じたり、自己主張が強いのだろうな・・・。



そんな事を思っただけで、それ以来気にかける事も無く彼の作品を聴く事も無く何年かが過ぎた。

そしてこの度の驚愕の会見を知った。



これを見て思い出したのはある時期の自分の罪であった。
小学生~中学生の時期にかけて両親の財布からお金を抜き取る盗み癖が止まらなかった時期がある。当時母親から貰える月々500円~1000円の小遣いでは自分の欲求を満たす事が出来なかった。使い道と言えばゲームセンターに行ったりファミコンのソフトを借りたと偽って買ったり買い食いに使ったりなどだ。始まったのは4年生頃だった。最初は少額から金額は自分の学年が上がるに連れて大きくなって行った。何度かバレてその度に怒られるのだが、それでも止まらなかった。


その内私は母親のみならず父親の財布にも手を付け始めた。


その日持っている金額にムラがある母親に比べて父親の財布の方が金額が多い事に気がついたのだ。勿論財布に入っている金を全部せしめてバレる様な真似はしない。三万五千円入っていたら五千円抜く、四万あったら一万抜くといった具合である。そうやって{もっとあった気がしたんだけど・・・}と財布の持ち主に錯覚させるのだ。


ある日外出した父親を送迎する母親が運転する車に乗った時。


F  「おまえ俺の財布に3万入れといたって言ったよな。」

M  「そうですよ。」

F  「無いんだよ。二万しか無かったぞ。」

M  「そんな筈ありません。ちゃんと三万円入れておきました。」

F  「俺が落としたのか?」

M  「知りませんよ。そうなんじゃないですか?」



それを後部座席で聞いている自分の心が痛かった。
罪の意識に駆られる。だったら止めればいいだろうに。いつまでこれは続くんだ?もう止めたい。それでも私は自分の欲求を満たすために両親の財布からお金を抜き続けた。


そしてある日審判の日が訪れた。
証拠となる品々を並べて母親が私を部屋に呼んだのだ。




今思えばビンタを受けて泣きじゃくる自分よりもよっぽど母親は悲しかったに違いない。



「お父さんには言わないでおく。言ったら気が狂っちゃうかも。」


それがせめてもの情けだった。




盗み癖は高校に入って自分でアルバイトをするようになったらピタリと止まった。
後ろめたさが無く自分の欲しい物を買える事が嬉しかった。それは菓子パン一個だろうとフェンダーのギターであろうと同じだ。




会見を見ていたらそんな事を思い出した。




悪い大人が多い。これじゃあ子供の手本にならないよ。だって大人が子供なんだから。

自分の周囲を見てもそんな事を思う。自分に課せられた仕事をしない人。避ける人。誤魔化す人。見て見ぬふりをする人。それにはきっと何処かで自分自身も含まれてしまうのだろうけど。



共犯者とは言え新垣さんはもう耐えられなかったんだろう。

彼はこうして世間の矢面に立って自ら恥辱を受ける事を選択した。




当の戦国武将本人は出て来ない。

きっと恥をかくのが嫌いな人なんだろう。





自分は音楽家(作曲家)=演奏家であるべきだと思っている。

演奏家とは人の前に出てきて自分の演奏を披露する肩書きとして当たり前の仕事をする人である。

身体に問題の無い音楽家であるなら人任せでは無く絶対に自分の手で楽器なり機械なりを演奏したいものだ。

それが自分の作品であるなら尚更である。




ライブには嘘が無い。

それは演じる方も見る方も同じだ。

それは恥をかきに行く事かも知れない。

恥を見に行く事かも知れない。

恥を共有出来ると心が何処かで通じ合う。

相手がそうだと分かったり、自分もそうだと言うとほっとする時がある。

それはたいして仲が良くない人物であったり、言葉が通じなかったとしてもそうなんである。






あの頃盗み癖の抜けなかった頃に自分が悶々と抱いていた気持ちが矢面に立って恥をかきたくない戦国武将に重なる。膿を吐き出す事無く抱えて生きる事に。彼の所業に同情の余地は無いけど。






怒るには寒すぎる日。

今日は雪が降った。

涙のような雨の混じる冷たい雪だ。





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プロフィール

MitchieBlackmore

Author:MitchieBlackmore
20世紀末期からシタールを通じて
インド音楽を学んでいます。

98年からインドにてシタールをデバシーシ・サニャル氏、モニラル・ナグ氏に師事。2004年より自らも居を名古屋近郊に移し名古屋市在住のアミット・ロイ氏に師事し研鑽を積む。{銀の旋律}や毎年行われる門下生のコンサート{月音}等に参加。


甘党B型+α

どうぞよろしく。

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ライブ情報

日時11月26日(日)開場17:00/開演17:30 入場料 1,000円(中学生以下無料)会場 揚輝荘(南園) 聴松閣 多目的室〒464-0057名古屋市千種区法王町2-5-17 地下鉄 覚王山駅より徒歩10分 主催 北インド古典音楽研究会 ご予約・お問い合わせ  fukusuke911@nifty.com (会場に駐車場はありません)

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